SafeG-MはSafeGと同様の機能をARMv8-M(Cortex-M33)向けに実装したデュアルOSモニタです。TOPPERS ASP3カーネルを保護しつつ、ゲストOSとしてFreeRTOS等を安全に利用することができます。実装にはARMv8-Mより導入されたTrustZone機能を利用しています。
TrustZoneは、プロセッサの実行状態をセキュア状態とノンセキュア状態に分離する機能です。セキュア状態は従来と同様に全てのリソースにアクセス可能ですが、ノンセキュア状態では実行できる操作が制限されます。
TOPPERSのRTOSカーネルは信頼性が高く、機器制御等におけるリアルタイム性を保証できます。しかしながらカーネルの提供する機能は最小限であり、ネットワーク通信等を実装することは容易ではありません。
一方で、FreeRTOSやmbed OSといったロイヤリティフリーのRTOSが提供するエコシステムは機能豊富であり、ネットワーク通信等であっても簡単に実現することができます。しかしその豊富な機能性のため信頼性の確保が比較的難しいこともあります。
以上のように、TOPPERS OSとその他RTOSは対照的な特徴を持っています。これら2種類のOSを同時に実行することで、それぞれの弱点を補完することが可能になります。すなわち、リアルタイム性を要求される用途にはTOPPERS OS、複雑な操作を要求される用途にはその他RTOSを割り当てることで両者のメリットを得られます。
最新のリリースでは次のボードに対応しています。
SafeG-Mの開発はTOPPERSメンバーによって、TOPPERS内のプロジェクト管理ツールで行われています。ユーザ向けのパッケージはここからダウンロードできます。
最新のリリース | |||
パッケージ | リリース | サイズ | リリース日 |
---|---|---|---|
safeg-m-1.1.0.zip | 1.1.0 | 5.3MB | 2023-04-01 |
safeg-m-1.0.1.zip | 1.0.1 | 5.0MB | 2022-06-11 |
safeg-m-1.0.0.zip | 1.0.0 | 3.8MB | 2020-08-17 |
*FreeRTOSやデバイスドライバ等はTOPPERSライセンスでないため、注意すること。 |
SafeG-Mの開発に参加している開発スタッフは次の通りです(所属は参加した時点のもの)。
名前 | 所属 | 時期 |
---|---|---|
小森工 | 名古屋大学 情報学部 | 2020年〜 |
本田晋也 | 南山大学 理工学部 | 2020年〜 |
※ 開発スタッフの名前は、掲載を了承された方のみ記載しています。