TOPPERS/FDMPカーネルは、μITRON仕様を機能分散マルチプロセッサ向けに拡 張した、機能分散マルチプロセッサ向けリアルタイムカーネル仕様に準拠した リアルタイムカーネルです。仕様書はこちらにあります。
FDMPカーネルの本体は、情報処理推進機構(IPA)による未踏ソフトウェア創造 事業の採択テーマの1つである「マルチプロセッサシステムに対応したシステ ムレベル開発環境の開発」の一環として、本田晋也氏が開発を担当しました。
現在、FDMPカーネルの開発は終了しており、FMPカーネルの開発を進めています。
FDMPカーネルの最新リリースはこちらからダウンロードできます。
FDMPカーネルの主な特徴は次の通りです。
μITRON仕様準拠のAPIをプロセッサを跨いで発行することが可能です。これに より、プロセッサ内/間を意識することなく、プログラミング可能となります。
APIはμITRON仕様と互換ですので、これまでに開発されたμITRON仕様OS向け のソフトウェア資産をそのまま利用することが可能です。
FDMPカーネルはプロセッサ数に制限はありません。プロセッサ数の増加に対し て、スケーラビリティを確保するような実装となっています。また、リアルタ イム性を損なわないための工夫をして実装しています。
プロセッサ依存部はJSPカーネルとほぼ互換であるため、JSPカーネルがすでに サポートしているターゲットへのポーティングは特に容易に行えます。
FDMPカーネルは、現時点で、以下のターゲットプロセッサをサポートしていま す。また、GCCなどのGNU開発環境を標準のソフトウェア開発環境としています ので、インライン関数やインラインアセンブラ機能など、GCCの拡張機能を用 いている部分があります。
プロセッサ(型番) | システムメーカ | 開発環境 | コンパイラ |
---|---|---|---|
Nios2 | アルテラ | Quartus 5.1 | GCC 3.4.1(開発環境に付属) |
Microblaze | ザイリンクス | EDK 7.1.2 | GCC 3.4.1(開発環境に付属) |
ARM MPCore | ARM | RVDEBUG 3.0 | GCC 3.4.4(CodeSourcery) |
TOPPERSプロジェクトのメンバとして、FDMPカーネルの開発に参加している開 発スタッフは次の通りです(所属は参加した時点のもの)。
名前 | 所属 | 時期 | 担当 |
---|---|---|---|
本田晋也 | 名古屋大学 | 2004年〜 | FDMPカーネル本体 |
高木信尚 | 個人会員 | 2004年〜 | カーネルコンフィギュレータ |
2005年8月号 特集2「組込み分野の『マルチコア』」 |
第2章「マルチプロセッサに対応したリアルタイムOSとは」本田晋也 第3章「μITRON4.0仕様準拠のマルチプロセッサ対応OSの実装」本田晋也 |
Vol.47 No.1 特集「マルチコアにおけるソフトウェア」 |
第6章「機能分散マルチプロセッサ向けのリアルタイムOS」高田広章/本田晋也 |