(toppers-users 1011) Re: 名前について
ogawa.kiyoshi
DQH01676 @ nifty.ne.jp
2003年 7月 30日 (水) 04:06:45 JST
堀江さま
いつもお世話になっています。
小川清@名古屋市工研です。
設計者ではないので、外野の個人的な見解です。
#おまけに、英語は不得意ですので、参考になりません。
#考え方の例示です。
> 堀江です。
> BLACKfinへの実装に向けて、カーネル関連で移植に際して知って
> おくべきことを再分類しています。その上で、どう呼べばいいか
> 迷うところが出てきました。公式の名前があればいいのですが、
> そうでなければアイデアなどいただければと思います。
> *1 カーネルの構造
> TOPPERS/JSPでは「ターゲット依存部」「ターゲット非依存部」に
> 分かれていますが、英語で略すときはどう呼べばいいでしょうか。
> TDL( Target Dependent Layer ), TIL( Target Independent Layer )
> でしょうか。一般的には Kernel / HAL だと思うのですが、Kernelは
** Cut quoted 1 lines by the mail filter. **
Kernel/HALという区分がよくわかっていません。
Kernel/Shellという区分はわかるのですが、shellのないkernelが
リアルタイムカーネルであるとすると、なめくじみたいなもの?
あるいは、宿変え途中のヤドカリ?
#誤解かもしれません。
Layerという用語の選択は、設計者が層という印象を持っているか、
対象によってでこぼこするので、実際には部品をまとめただけという印象を持っている
かによるような気がします。
#どちらでしょうか?
> *2 移植対象
> 移植にあたっては関数、変数、アセンブリ言語のラベル、マクロなどを
> 書き換えることになります。これらをひっくるめてなんと言うべきか
> 悩んでいます。日本語だと「もの」という便利な言葉があるのですが、
> 英語ではなんといえばいいのやら。Entity?
entityという概念をどういう文脈で使うことが多いかよくわかっていません。
英英で調べると、
http://dictionary.reference.com/search?q=entity
Something that exists as a particular and discrete unit: Persons and corporati
ons are equivalent entities under the law.
The fact of existence; being.
The existence of something considered apart from its properties.
discreteなexistanceを表しているとすると、コンピュータの外のものをあらわすとき
には、discreteかどうかが重要ですから、そういう概念を表現するのによいような気が
します。コンピュータで操作する対象を表すときには、propertiesからapartしている
ことが重要かもしれません。
日本語の「もの」という便利な用語は、objectがあると思いますが、、、
http://dictionary.reference.com/search?q=object
Something perceptible by one or more of the senses, especially by vision or to
uch; a material thing.
A focus of attention, feeling, thought, or action: an object of contempt.
The purpose, aim, or goal of a specific action or effort: the object of the ga
me.
Grammar.
A noun, pronoun, or noun phrase that receives or is affected by the action of
a verb within a sentence.
A noun or substantive governed by a preposition.
Philosophy. Something intelligible or perceptible by the mind.
Computer Science. A discrete item that can be selected and maneuvered, such as
an onscreen graphic. In object-oriented programming, objects include data and
the procedures necessary to operate on that data.
上記の計算機科学の説明では、複数の厳密な用語定義をしていて、画面上のものを含む
操作対象、オブジェクト指向プログラミングを実現するための抽象データ型の「もの」
を説明しています。それ以外にもsource fileに対する操作対象としてのobject fileと
いう使い方もあり、なんでもかんでもobjectを使っているのでこれほど便利な用語はな
いような気もします。
どちらの記述にも共通するのは、discrete unit/ discret item
http://dictionary.reference.com/search?q=discrete
Constituting a separate thing. See Synonyms at distinct.
Consisting of unconnected distinct parts.
Mathematics. Defined for a finite or countable set of values; not continuous.
> ---
> 移植に必要な情報はWikiの上にまとめています。リンクを貼りやすいの
> で作業効率がよく、出来上がりつつあるものもそれなりにわかりやすい
> ものになりそうです。で、Wikiで分類するときの分類名で困っている
> わけです。
> 「ターゲット依存部がターゲット非依存部に提供するもの」ではあまりに
> わかりにくいので、D2IE ( Dependent layer to Independent layer
> Entity )などと訳せれば分類しやすくなるかと思っています。
英語の方ではなく、日本語の方で、疑問に思う点があります。
依存部と非依存部の区切りが、移植のしやすさにあるとし、
依存部の実装の仕方を、コンパイル技術によって解決しようとしているのであれば、
非依存部が依存部での実現を要請しているという関係が主であると理解し、
「対象非依存部が、対象依存部で実現していて欲しいもの」
であって、「依存部が非依存部に提供するもの」ではないような気もします。
#単なる立場の違い。全体の構成をどちらの立場で一貫して書くかの選択。
Entityという用語を使っている文書で、どういう立場でのEntityかの記述が省略されて
いるとわかりにくい。
この場合では、作業をする人にとって重要な存在を言おうとしているのか
Kernelのソースにとって重要な存在を言おうとしているのか。
文書内で定義すれば、定義した文脈から離れていても、その文書全体では同一の意味を
保持すると見なすので、問題ないはずですが、、、
> 堀江誠一
ps.
インタフェース誌で、「フレームワーク」が「枠組み」だと違和感があるという記事を
見ました。
native speakerの思いこみを信用してはいけないということも感じています。
native speakerと言っても、文脈に関する立場の違い、個人の思いこみ、表記の省略、
用語の転用について見解が違う。
例えば、.NET frameworkという文脈での枠組みを、.NETのつかない枠組みで理解しよう
とすると違和感がある。
何に使っているかという文脈での表現を、何につかっているかという文脈から切り離し
て表現しようとすると違和感がある。
ps2.
一方で、用語の違和感ではないものを、用語で解決しようとするのは無理ではないかと
いう感想を持っています。
他方で、日本語は、用語で解決しないものを、用語で解決しようとする文化であると定
義すれば、無理ではない。
#右へ行っても、左へ行っても目的地に着けばよい。